川崎市川崎区のなかでも、駅前本町・砂子・日進町・小川町といった川崎駅東口の一帯は、住宅と店舗と事務所がひとつの建物のなかに同居していることの多いエリアです。同じ川崎区でも、大島・渡田のような住宅地とは、水まわりで起きるトラブルの中身がかなり違います。
この記事では、川崎駅東口の市街地ならではの水まわりトラブルについて、建物のタイプ別に原因と対処法を整理します。
川崎駅東口|駅前本町・砂子・日進町・小川町はどんなエリアか
駅前本町にはJR川崎駅があり、砂子には京急川崎駅があります。この2つの町を中心に、日進町・小川町を含む一帯に川崎駅前の商業地が広がっています。
つまりこのエリアは、駅を中心に半径数百メートルの範囲へ、分譲マンション・賃貸マンション・店舗併用ビル・雑居ビル・オフィスが高密度で積み上がっている場所ということになります。水まわりで見ると、次の3つの特徴が重なります。
▶ 1棟のなかで用途が混ざる(1階が飲食店、2階以上が住居や事務所)
▶ 縦に長い共用の排水管を、多くの世帯やテナントで共有している
▶ 建て替えの時期がバラバラで、新しい建物と古くからのビルが隣り合っている
この3点が、東口エリアのトラブルの出方に大きく影響します。
店舗併用ビル・雑居ビルで起きやすいつまりと水漏れ
1階や地下に飲食店が入っている建物では、厨房から流れる油分が排水管の内壁に付着し、時間をかけて内側を細くしていきます。飲食店では油分を分離するための設備が使われますが、清掃の間隔が空くと分離しきれなかった油が下流の配管へ流れ、建物全体の排水が遅くなることがあります。
上の階に住んでいる方から見ると、症状はこう出ます。
▶ 自分の部屋では何もしていないのに、洗面やお風呂の流れが急に遅くなった
▶ 排水するとき、いつもと違うゴボゴボという音がする
▶ 排水口から下水のようなにおいが上がってくる
ご自身の部屋の排水口を掃除しても改善しない場合、原因は専有部ではなく、共用の縦管や、建物から外へ出るまでの横引き管にあることが考えられます。この場合、個人で市販の薬剤を流しても届きませんし、状況によっては油の塊を押し固めてしまうこともあります。まずは管理会社やオーナーへ連絡し、建物全体の問題として扱うのが早道です。
店舗併用住宅をご自身で所有している場合は、建物全体が自分の管理範囲になります。この場合は高圧洗浄などで配管の内側をまとめて洗う判断が必要になることがあります。
駅前マンションで起こりやすいトイレのつまり・排水音・におい
東口の分譲・賃貸マンションでは、専有部だけで完結するトラブルと、共用部が関わるトラブルが混ざります。切り分けの目安は、ご自宅以外でも同じ症状が出ているかどうかです。
トイレの水が流れにくいとき、便器の中だけで詰まっているなら、ラバーカップで解消することがあります。一方で、流したあとに浴室や洗面の排水口が「ゴボッ」と鳴るときは、その先の縦管側で空気の流れが悪くなっているサインのことがあります。この場合は自分でどうこうする段階ではないため、無理に何度も流さないでください。あふれると階下への漏水につながります。
排水の音が階下に響く場合は、専有部の問題か共用部の問題かで対応先が変わりますので、マンションの排水音が階下に響く原因と防音対策もあわせてご覧ください。
川崎区は合流式下水道|大雨のあとに排水口がにおう理由
川崎市上下水道局の「下水の排除方式」のページでは、合流式下水道区域を川崎区・幸区・中原区の大部分・高津区の一部、分流式下水道区域を麻生区・多摩区・宮前区・高津区の大部分・中原区の一部と案内しています。つまり川崎区は、汚水と雨水を1本の管でまとめて流す合流式です。
合流式の区域では、まとまった雨が降ると下水道管のなかの水量と空気の動きが一時的に大きく変わります。その影響で、ふだんは気にならない排水口からにおいが上がってくることがあります。とくに、しばらく使っていない浴室や洗面の排水口、来客用トイレなどは、排水トラップにたまっている水(封水)が蒸発して減っていることがあり、その場合はにおいを止める役目を果たせなくなります。
対処はシンプルで、使っていない排水口に少量の水を流して封水を補うことです。それでも改善しない、雨に関係なく常ににおうという場合は、別の原因を疑う必要があります。詳しくは雨の日に下水のニオイが強くなる原因と対処法で解説しています。
築年数が経った建物で出る給水・給湯まわりのサイン
東口エリアは建て替えの時期がそろっていないため、同じ通り沿いでも建物の年代が大きく違います。築年数が経った建物では、次のようなサインが出てきます。
▶ 朝いちばんの水がうっすら色づいている、金属のようなにおいがする
▶ 蛇口を閉めた瞬間に「ドン」と衝撃音がする
▶ 給湯の温度が安定せず、ぬるくなったり熱くなったりする
▶ メーターボックスの周辺や、パイプスペースの床が湿っている
色やにおいは、給水管の内側の劣化が関係していることがあります。しばらく流して澄むなら様子を見て構いませんが、いつまでも続く場合は建物側の点検対象です。閉めた瞬間の衝撃音は、水の勢いが急に止まることで起きる現象で、放置すると継手のゆるみから漏水につながることがあります。
パイプスペースや床が湿っている場合は、判断を先送りしないでください。集合住宅の漏水は、気づくのが遅れるほど階下への被害が広がり、費用も大きくなります。
自分でできる応急処置と、やらないほうがよいこと
まず覚えておきたいのは、水を止める場所です。トイレは便器の近くにある止水栓、キッチンはシンク下、洗面は洗面台の下のキャビネット内にある止水栓で止められます。住戸全体は、集合住宅であれば玄関脇のメーターボックス内、店舗併用住宅などの戸建てであれば敷地内の量水器ボックスにある止水栓(元栓)です。あわてているときほど場所を探すのに時間がかかるので、平常時に一度確認しておくと安心です。
やらないほうがよいことも整理しておきます。
▶ 流れないトイレで、何度も水を流して押し切ろうとする
▶ 強力な薬剤を規定量を超えて入れる、複数の薬剤を混ぜる
▶ 共用の縦管が疑われる状況で、自分だけで対処しようとする
▶ 天井から水がしみているのに、上の階へ連絡せず様子を見る
とくに集合住宅では、初動を誤ると自分の部屋だけの問題では済まなくなります。原因の場所がはっきりしないときほど、早めに専門業者へ相談してください。
出典:川崎市上下水道局「下水の排除方式」/京浜急行電鉄「京急川崎駅」(路線図・各駅情報)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。
