「キッチンの排水口から嫌な臭いがする」「シンクの下を開けると下水のような臭いがする」。このような経験はありませんか。料理をする場所だけに、臭いは衛生面でも精神面でも気になるものです。
キッチンの排水口の臭いには、はっきりとした原因があります。原因を理解すれば、自分で対処できるケースも少なくありません。本記事では、臭いの原因を構造面から解説し、具体的な掃除方法と、それでも改善しない場合の対処法をお伝えします。
キッチン排水口が臭くなる3つの原因
原因①:排水トラップの封水切れ
キッチンのシンクには、排水トラップと呼ばれる仕組みがあります。排水管の途中に水(封水)を溜めることで、下水管からの臭いやガスが室内に上がってくるのを防ぐ構造です。
この封水が何らかの理由でなくなると、下水管と室内が直結した状態になり、強烈な臭いが上がってきます。封水がなくなる原因としては、長期間キッチンを使用しなかった場合の蒸発、排水管内の気圧変動による吸い出し(サイホン現象)、排水トラップの破損などがあります。
原因②:排水口・ゴミ受け周辺の汚れ
よくある原因がこれです。排水口のゴミ受け、排水カバー、排水トラップの内側に、油汚れや食べカスが蓄積して腐敗し、悪臭の元になっています。特に油汚れは水だけでは落ちにくく、ぬめりとなって排水口の周辺にこびりつきます。
毎日食器洗いをしていても、排水口の奥やトラップの裏側まで掃除している方は少ないのではないでしょうか。見えない部分に汚れが蓄積し、そこから臭いが発生しています。
原因③:排水管内部の汚れの蓄積
排水トラップよりも奥の排水管内部に、油脂や食材のカスが長年にわたって蓄積すると、管自体が臭いの発生源になります。この場合、排水口の掃除だけでは臭いが解消しません。築年数が古い住宅や、排水管の清掃を一度も行ったことがない場合は、管内部の汚れを疑ってください。
自分でできる臭い対策
STEP1:排水口のパーツを外して洗う
まず、排水口のフタ、ゴミ受けカゴ、排水カバー(ワントラップの場合はお椀型のカバー)をすべて外します。それぞれのパーツを台所用洗剤とスポンジ、細かい部分は使い古しの歯ブラシで洗います。ぬめりがひどい場合は、重曹をふりかけてから洗うと効果的です。
STEP2:排水トラップの内側を清掃する
パーツを外した状態で、排水トラップの内側に溜まった汚れを歯ブラシやスポンジで落とします。ここが最も汚れが溜まりやすく、臭いの主な発生源です。重曹を大さじ2〜3杯ふりかけ、その上からお酢(またはクエン酸水)を100ml程度かけると、泡立ちながら汚れを浮かせてくれます。15〜30分放置した後、お湯(熱湯ではなく、給湯器のお湯程度の温度)で流してください。
STEP3:封水を確認する
清掃後、パーツを元の位置に戻したら、水を30秒ほど流して封水を満たします。長期不在後にキッチンを使い始める際も、まず水を流して封水を復活させることが臭い防止の基本です。
掃除しても臭いが消えない場合
排水口とトラップを丁寧に掃除しても臭いが消えない場合は、排水管の内部に原因がある可能性が高いです。この場合は、市販のパイプクリーナーを試す方法もありますが、それでも改善しないときは専門業者による高圧洗浄などが必要になる場合があります。
パイプクリーナーを使う場合は、製品の注意書きに従い、換気をして使ってください。塩素系の製品は、酢やクエン酸などの酸性のものと混ぜたり、同じ日に続けて使ったりしないでください(有毒なガスが発生するおそれがあります)。
また、シンク下の排水管と壁の接合部に隙間がある場合も、そこから臭いが漏れることがあります。接合部にパテや防臭ゴムが正しく取り付けられているかを確認してみてください。
マンション・集合住宅で起きやすい臭いの問題
マンションにお住まいの場合、自室の排水口を清掃しても臭いが解消しないケースがあります。集合住宅特有の原因として、以下のようなものがあります。
▶ 排水立管の汚れ
各戸の排水が合流する排水立管(縦管)の内部に油脂や汚れが蓄積すると、そこから臭いが各戸の排水口に逆流してくることがあります。この場合、個人での対処は難しく、管理組合による共用部分の排水管清掃が必要です。
▶ 通気弁の不具合
排水管には、スムーズに水を流すための通気の仕組みがあります。通気弁が故障したり、通気管が詰まったりすると、排水時に管内の空気圧が変動し、封水が引き抜かれてしまうことがあります。他の部屋で水を流したタイミングでゴボゴボと音がする場合は、通気系統の問題が疑われます。
臭いを予防するための日常習慣
▶ 油をそのまま流さない
調理で使った油は、キッチンペーパーで拭き取るか、凝固剤で固めて可燃ごみとして処理してください。油をそのまま流すと排水管内で固まり、臭いとつまりの両方の原因になります。
▶ 週に一度の重曹+酢掃除
排水口に重曹をふりかけて酢をかける掃除を、週に一度の習慣にすると、汚れの蓄積を効果的に防ぐことができます。大がかりな掃除をする必要がなくなり、臭いの発生も抑えられます。
▶ 長期不在時は水を流してから外出
旅行や出張で数日以上家を空ける場合は、出発前にキッチンの水を30秒ほど流しておきましょう。封水が満タンの状態であれば、数日間の蒸発に耐えることができます。
