「最近、お湯の温度が安定しない」「給湯器から変な音がする」——毎日使う給湯器も、家電と同じように少しずつ古くなり、いつかは寿命を迎えます。突然お湯が使えなくなって困る前に、交換を考えたいサインを知っておくと安心です。この記事では、給湯器の寿命の目安と、交換を考えたいサイン、そして放置してはいけない危険な症状について解説します。
給湯器の寿命はどれくらい?
給湯器の寿命は、使い方や設置環境によって変わりますが、一般的には設置から10年前後が交換の目安とされています。ガス給湯機器には「設計上の標準使用期間」が表示されていて、10年と設定されている場合が多いとされています(日本ガス石油機器工業会)。
また、修理に使う部品の保有期間はメーカーごとに決められていて、ガス石油機器PLセンターの相談事例では、製造打ち切り後7年程度が一般的と説明されています。製造打ち切りの時期によっては、設置から10年以上たった機器で部品の保有期間が終わっていて修理ができず、本体ごと交換になる場合もあります。10年が近づいてきたら、少しずつ交換も視野に入れておくと安心です。
交換を考えたいサイン
次のような症状が出てきたら、寿命が近づいているサインかもしれません。使用年数とあわせて確認してみてください。
▶ お湯の温度が安定しない
設定した温度どおりにならない、急に熱くなったりぬるくなったりする場合は、内部の部品が劣化している可能性があります。
▶ 点火に時間がかかる・お湯が出るまで遅い
スイッチを入れてもなかなかお湯にならない、点火の反応が鈍いといった変化も、経年劣化のサインのことがあります。
▶ 運転中に今までと違う音がする
うなるような異音など、これまで聞いたことのない音が続く場合は注意が必要です。また、何度か着火しようとして「ボン」と大きな音がした場合について、ノーリツは異常着火のおそれがあるとして、販売店かメーカーへの連絡を案内しています。点検を依頼したいサインと考えてください。
▶ リモコンにエラー表示が頻繁に出る
ときどきエラーが出て、電源を入れ直すと使える——という状態を繰り返すのも、内部に不調が出てきているサインです。エラーが頻発するようになったら、点検や交換を検討したほうがよいでしょう。
これらは一つだけなら一時的な不調のこともありますが、使用年数が10年前後で複数当てはまる場合は、交換を前向きに考えるタイミングです。
すぐに使用をやめたい危険なサイン
寿命のサインの中には、放置すると危険なものもあります。次のような症状が出たときは、すぐに給湯器の使用をやめてください。
▶ 排気口から黒い煙が出ている
▶ ガスのにおい・焦げくさいにおいがする
これらは、不完全燃焼やガス漏れが起きているおそれのある症状です。とくにガス機器の不完全燃焼は一酸化炭素中毒につながる危険があるため、自分で対処しようとせず、ただちに使用を中止して、ガス会社や給湯器の専門業者に連絡してください。ガスのにおいが強いときは、火気を使わず、換気扇などの電気のスイッチにも触れずに(火花で引火するおそれがあります)窓や扉を開けて換気し、ガスの元栓を閉めるなど、安全を最優先にしてください。
日ごろできる確認
給湯器を安全に長く使うために、日ごろから次の点を意識しておくと、異変に早めに気づけます。
▶ 設置年を把握しておく
本体に貼られたシールなどで、設置または製造の年を確認しておきましょう。10年が近いかどうかが、交換を考えるひとつの目安になります。
▶ 排気口のまわりに物を置かない
排気口の前に物があると、排気がうまく流れず不完全燃焼の原因になることがあります。給湯器のまわりは、風通しを保っておきましょう。
「お湯が出ない」=寿命とは限りません
お湯が出ないと「壊れた=寿命かも」と思いがちですが、原因は寿命だけではありません。冬場の配管の凍結や、ガス・水道の元栓、リモコンの設定、エラーの一時的なものなど、確認すれば解決することもあります。まずは落ち着いて確認したい項目を給湯器からお湯が出ないときに確認すべきポイントにまとめていますので、あわせてご覧ください。
確認しても直らない、急にお湯が使えなくなって困っている、という場合は早めに業者に相談しましょう。夜間や休日の急なトラブルで業者を呼ぶときの費用の考え方については、深夜の水漏れ・つまりで業者を呼ぶときの料金の考え方もご覧ください。
出典:一般社団法人日本ガス石油機器工業会「点検でわかる経年劣化事故防止の重要性」/ガス石油機器PLセンター「INFORMATION」(2023年9月)/消防庁 防災危機管理eカレッジ「6.都市ガスを安全に使う為のポイント4」/ノーリツ「長期間使用した製品は重大な事故発生のおそれがあります!」(ガス給湯器の点検の案内)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。
