栓をひねれば、そこで進行が止まる。ひねっても、何も変わらない。水まわりの不具合は、この二つに分かれます。前者が水漏れ、後者がつまりです。同じ「困った」でも打つ手は正反対で、取り違えると、床を拭きながら止水栓を探し続けることになります。以下、その分かれ目を書き出します。
和泉町・中田・下飯田町を先に押さえておく
横浜市が公表している「横浜市の町名一覧」(令和6年9月2日現在)には、泉区の町名として和泉町・中田町・下飯田町が並んでいます。中田では一部で住居表示が実施され、中田北・中田西・中田東・中田南が置かれています(中田町も一覧に残っています)。いっぽう和泉町と下飯田町は住居表示が実施されておらず、地番のままの住所です。相鉄いずみ野線と市営地下鉄ブルーラインの両方が通る範囲にあたり、戸建てと集合住宅がまじって建っている一帯です。
区の中心部にあたるいずみ中央・立場・弥生台のあたりについては、横浜市泉区の水まわりトラブル|緑園都市・いずみ中央・立場・弥生台の住宅事情にまとめていますので、そちらもあわせてご覧ください。この記事で扱いたいのは、街の造りではなく、症状そのものの性質のほうです。
水漏れは「止められる」トラブル
蛇口やトイレ、給湯機器につながる給水の管には、水を使っていない時間もずっと水圧がかかっています。だから、どこかに傷やゆるみがあれば、誰も水を使っていない夜中でも漏れ続けます。逆に言えば、圧力の元を断てば止まります。器具ごとの止水栓、それでも足りなければ住戸や敷地の元栓。閉めた瞬間から、被害はそれ以上広がりません。
ここが水漏れの救いです。原因が分からなくても、直す腕がなくても、栓を閉められれば時間が買えます。濡れた場所を拭いて、床下や階下に届いていないかを見て、落ち着いて連絡先を選ぶ余裕が生まれます。ただし、閉めている間はその器具(元栓なら家じゅう)の水が使えなくなります。漏れている箇所が直るまでは、その器具の止水栓は閉めたままにしてください。ハンドルが固くて回らないときは、力をかけずにそのままにしておくほうが安全です。場所や閉め方の手順は、水漏れしたらまず水を止める|止水栓・元栓の場所と閉め方の手順にまとめました。
横浜市水道局は、水道の故障のページ(最終更新日:2023年12月13日)で、蛇口を閉めても止まらないという相談に対して「この場合、パッキンの劣化が原因と考えられます。」としています。水道の修理のページ(最終更新日:2026年4月14日)では、そのパッキン交換の案内が水栓の形で分かれていて、ハンドルを回して開閉するタイプはご自身での交換をすすめ、レバーハンドルを上下して開閉するタイプは構造が複雑なので水道工事店へ相談するように、とされています。ご自宅の蛇口がどちらのタイプかを確かめてから、ご自身で手を入れるかどうかを決めてください。器具そのものからのにじみについては、シングルレバー混合栓の水漏れ|漏れる場所でわかる原因と対処法もあわせてご覧ください。
器具ではなく配管からの漏れになると、頼み先の線引きが出てきます。同じ水道の修理のページでは、水道メーターから道路側の漏水について「水道局で修理可能な場合、無料で施工します。ただし、宅地内の復旧は、原則、お客さま施工となります。」とされ、いっぽうメーターから蛇口までの漏水は「水道局では修理を行っていません」と示されています。トイレの水が止まらなくなった場合については、水道の故障のページで「水道局では修繕できませんので、民間の水道工事店へ修繕を依頼してください。」と案内されています。メーターを境に、行き先が変わるということです。
つまりは「止められない」トラブル
排水はまったく逆です。排水管に水が通るのは、こちらが水を流したときだけ。ふだんは空で、圧力もかかっていません。ということは、止めるべき栓がそもそも存在しません。止水栓を全部閉めて回っても、洗面台の下でせき止められている水は動きませんし、便器の中の水位も戻りません。
そのため、つまりの応急でできるのは、そこへ水を送るのをやめることです。流れが悪い排水口を使わない。あふれかけている便器のレバーを、もう一度引かない。洗濯機の運転を止める。地味ですが、これが被害を広げないための手当てになります。洗濯機の排水口から水があふれる原因と対処法で書いたとおり、機械が自動で排水するものほど、止めるのが遅れると床に広がります。
なお、便器があふれそうなときは、トイレの止水栓を閉めておいてください。つまりそのものは解消しませんが、タンクに水が溜まらなくなるので、家族の誰かがうっかりレバーを引いても水位が上がりません。止水栓が役に立たないのは、つまりを取るという意味においてで、これ以上流れ込ませないという意味では有効です。
集合住宅ではもう一段やっかいです。自分が水を使わなくても、上の階の方が使えば、その水は同じ管を下りてきます。自室の器具をすべて止めても、建物側の管でつまっていれば、低い階の排水口から出てくることがあります。建物側と住戸内の線引きについてはマンションの水漏れは誰が直す?|共用部と専有部の境目と費用負担をご覧ください。
だから、確かめる順番も逆になる
水漏れで探すのは「どこから出ているか」です。濡れている場所の真上や手前をたどっていけば、行き着くことが多くあります。ところがつまりで知りたいのは「どこまで流れているか」で、これは濡れている場所を見ても分かりません。
横浜市は、排水設備指定工事店のページ(最終更新日:2026年9月4日)で、屋内の排水設備が詰まった場合の確かめ方をこう案内しています。「詰まった箇所以外の屋内排水設備箇所からも水を流し、特定の箇所の流れが悪いか、全体的に流れが悪いか、確かめてください。」1か所だけなら、その器具から先の短い区間の話です。台所も洗面所も浴室もそろって流れが鈍いなら、合流したあとの共通の管まで下りている可能性が出てきます。
この確かめ方が効くのは、排水が上流から下流へ一本にまとまっていく造りだからです。市のQ&Aのページ(最終更新日:2025年6月26日)でも、全体的に流れが悪い場合は「宅地内の排水管や接続ます、又は横浜市管理の下水道管に原因があると考えられます。」とされています。そのうえで市は、この場合と、宅地内か市の管かはっきりしない場合のいずれについても「お住まいの区の土木事務所にご相談ください。」と案内しています。市の管に原因があるなら、そちらが窓口になるということです。戸建てで屋外のますまで見るときの見方は、排水マスとは?戸建て住宅オーナーが知っておくべき役割とつまり対策にまとめてあります。
完全に流れなくなる前には、前ぶれが出ていることがあります。トイレつまりの前兆サイン5つ|完全に詰まる前に気づくためのチェックポイントと、キッチンの排水がゴボゴボ鳴る|正常な音と点検が必要な音の見分け方を、流れが鈍ってきた段階で読んでいただけると、あわてる場面を一つ減らせます。
当社では、室内の排水から屋外の排水ますまで、どこで詰まっているかを確かめて原因を取り除きます。排水ますや排水管も状態を確かめ、掃除から修理までご相談いただけます。
なお、市の案内には「マンションやアパートなどの共同住宅にお住まいの方は、管理人、管理会社やアパートの所有者などにご相談ください。」というただし書きもあります。賃貸や分譲でお住まいの場合は、動く前にこの一報を入れておくほうが、結果として早く片づきます。
迷ったときの、最初の一手
整理すると、順番はこうなります。
▶ 水が出続けている、にじみが広がっている → まず栓を閉める。閉まれば、そこから先は落ち着いて決められます
▶ 流れない、あふれそう → その器具を使うのをやめる。栓を探すより先に、水を送らないこと
▶ 流れが鈍いだけ → ほかの水まわりからも流してみて、1か所か全体かを分けておく
▶ 全体が鈍い → 市の案内では、お住まいの区の土木事務所が相談先です
▶ 集合住宅にお住まい → 自室で完結する話かどうかにかかわらず、管理の側へ一報を入れる
ご連絡の際に、止まっているのか止まらないのかだけでもお伝えいただくと、状況の見当がつけやすくなります。しばらく水を使っていなかった配管を久しぶりに使うときの立ち上がりについては断水の復旧直後にやること・やらないこと|水まわりの使い始めの手順が近い話ですので、心当たりがあればそちらもご覧ください。
出典:横浜市「横浜市の町名一覧(令和6年9月2日現在)」、横浜市「横浜市排水設備指定工事店」(最終更新日:2026年9月4日)、横浜市Q&Aよくある質問集「下水が詰まったが、どうすればいいですか。」(最終更新日:2025年6月26日)、横浜市水道局「水道の故障」(最終更新日:2023年12月13日)、横浜市水道局「水道の修理」(最終更新日:2026年4月14日)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。
