川崎区で飲食店や店舗併用住宅の厨房を使っているなら、グリストラップ(グリース阻集器)の掃除を毎日の作業に組み込んでおくことが、排水のつまりを防ぐための基本です。川崎市上下水道局は、バスケットの掃除と浮いた油脂分の除去は毎日1回以上、沈んだ残さ・ごみの除去は1か月に1回以上、トラップ内部の掃除は2~3か月に1回以上を目安として示しています。油を下水管に流すと、冷えて固まって管を詰まらせ、汚水があふれたり悪臭が出たりする原因になるためです。
この記事では、川崎市の案内をもとに、グリストラップの仕組みと掃除の順番、取り除いた油の処分のしかた、詰まったときの連絡先を整理します(2026年10月時点の情報です)。
川崎区で厨房排水の手入れが大切な理由は?
川崎市が公表している令和3年経済センサス‐活動調査の結果では、川崎区の民営事業所数は「卸売業,小売業」が最も多く、次いで「宿泊業,飲食サービス業」、「建設業」の順です。飲食店などの厨房が多い地域では、一つひとつの店の排水の手入れが、店の中だけでなく道路の下の下水管の状態にも関わってきます。
川崎市上下水道局は、下水管に油脂類を直接流すと次のような流れで被害につながると説明しています。
- 油脂類が管の中で冷えて固まる
- 流れが妨げられ、汚物がたまる
- 下水管が完全にふさがってしまう
- 解消には多大な費用がかかる
市は、汚水が道路や敷地などにあふれ出たり、油脂類の腐敗による悪臭が出たりして、周辺に被害を引き起こす場合があるとしています。
グリストラップ(グリース阻集器)はどんな仕組み?
グリース阻集器は、厨房などの排水に含まれる油脂類を取り除く器具です。川崎市の案内によると、阻集器に入った排水の中の油分は比重が軽いため浮き上がり、油分の少ない排水だけが下水管へ流れる仕組みです。
中はおおまかに、次のような部分に分かれています。
- バスケット:生ごみなどを受け止めるかご
- 油脂分がたまる槽:浮き上がった油がたまる部分
- 底:細かい残さやごみが沈む部分
- 排水トラップ:においや虫が上がってくるのを防ぐ部分
油は浮いてたまり続けるので、取り除かなければ少しずつ下流へ流れ出たり、においや虫の原因になったりします。
グリストラップの掃除はどのくらいの頻度で何をする?
川崎市上下水道局が示している掃除の目安は次のとおりです。
| 掃除する部分 | 目安 |
|---|---|
| バスケット | 毎日1回以上 |
| 浮いた油脂分 | 毎日1回以上 |
| 沈んだ残さ・ごみ | 1か月に1回以上 |
| トラップ内部 | 2~3か月に1回以上 |
市は、点検と掃除を怠ると、油を集める力が落ちるだけでなく、悪臭や害虫が出たり、店舗の排水管が詰まったりして、店舗の衛生上の問題になるとしています。
毎日の掃除の流れ(例)
- 営業の終わりなど、厨房の排水が止まっている時間にふたを開ける
- バスケットを引き上げ、たまった生ごみを捨てて、かごの目詰まりを落とす
- 表面に浮いた油脂分を、網やひしゃくなどですくい取る
- ふたをきちんと閉め直す
ふたや本体の形、掃除の方法は製品によって違います。設置されている阻集器の取扱説明書や、店舗の設備を管理している人に確かめてから作業してください。ゴム手袋を着け、ふたの開け閉めで手や足を挟まないよう注意します。
「油を分解する薬剤」は使ってよい?
川崎市は、既存のグリース阻集器にばっき装置などを追加で取り付けたり、油脂類を分解して排水するタイプの処理剤などを使ったりしないよう求めています。処理場の処理機能に悪い影響を与えてしまうためです。手間はかかりますが、浮いた油はすくって取り除くのが基本です。
取り除いた油や汚れはどう処分する?
ここは家庭とお店で扱いが変わるので、分けて考えます。
お店(事業活動)から出た油・汚泥
川崎市上下水道局は、グリース阻集器の清掃で取り除いた油脂分などは、廃棄物として正しく処理するよう求めています。川崎市環境局の事業系ごみの手引では、産業廃棄物の例として、汚泥に「グリストラップ汚泥」、廃油に「食用油」が挙げられており、天ぷら油は産業廃棄物の「廃油」にあたると説明されています。
- 産業廃棄物は、市の指定処理施設(焼却場)へ持ち込めない
- 事業活動から出たごみを家庭用のごみ集積所に出すと、不法投棄とみなされる
お店の油やグリストラップの汚泥の処分は、手引にあるとおり産業廃棄物の許可業者と契約して委託するなど、市の案内に沿って進めてください。分からないときは川崎市環境局生活環境部廃棄物指導課(044-200-2596)に確認してください。
家庭の台所の油
家庭向けには、川崎市上下水道局が、使い古しの油は新聞紙や不要な紙などで吸い取って、普通ごみとして出すよう案内しています。店舗併用住宅の場合は、お店の営業で出た油は「お店(事業活動)」の扱いになる点に注意してください。
排水が流れにくい・あふれたときはどこに連絡する?
まずは、詰まっているのが敷地の中か外かを考えます。川崎市は、市が修理を行う範囲は、下水道本管と取付管の道路境界線までとしています。敷地の中の排水管やグリース阻集器は、建物側で管理する部分です。私道や宅地内の下水管も、市では修理しないとされています。宅地内の排水管が詰まったときの申込み先は、川崎市のページ「下水管が詰まって困っています。」「下水道管の修理や清掃をしてほしい。」で案内されているので、あわせて確認してください。テナントとして入っている場合は、まず建物の管理会社やオーナーに確認してください。
道路の下の下水本管や取付管が詰まった場合は、各区を担当する下水道(管理)事務所が窓口です。川崎区は南部下水道事務所が受け持っています。
- 南部下水道事務所(川崎区・幸区):川崎区元木2-2-9/電話 044-344-4866(受付は月曜~金曜 午前8時30分~午後5時、正午~午後1時は除く。土日・祝日・12月29日~1月3日は休み)
- 上記の時間外:上下水道お客さまセンター(0120-014-734)
道路のマンホールから水があふれている、近くの道路まで下水のにおいがするといったときは、敷地の外の問題のこともあるので、早めに連絡してください。
自分でできること・業者に相談したいサイン
自分でできること
- グリストラップのバスケットと浮いた油を毎日取り除く
- 沈んだ残さは月に1回以上、トラップ内部は2~3か月に1回以上を目安に掃除する
- 食器や鍋の油は、洗う前に紙などでふき取ってから流す
- 油を分解して流すタイプの薬剤に頼らない
- 取り除いた油・汚泥は、事業系の廃棄物として正しく処分する
業者に相談したいサイン
- グリストラップを掃除しても、厨房の排水の流れが遅いままになっている
- 排水口や床の排水溝から、水が逆に上がってくる
- 掃除をしても下水のようなにおいが続く
- 敷地の中の排水ますに水がたまったまま引かない
Beプラミングでは、排水の流れが悪いとき、室内の排水から屋外の排水ますまで、どこで詰まっているかを確かめて原因を取り除きます。排水ますや排水管も状態を確かめ、掃除から修理までご相談いただけます。詳しくはつまり修理のページもご覧ください。
家庭のキッチンでにおいが気になる場合はキッチン排水口が臭い原因と自分でできる対策|排水トラップの仕組みと掃除方法、川崎区の住まいの事情は川崎市川崎区の水まわりトラブル|大島・渡田の低地と商工混在の住宅事情でも紹介しています。
よくある質問
グリストラップの掃除は毎日しないといけませんか?
川崎市上下水道局は、バスケットの掃除と浮いた油脂分の除去を毎日1回以上行うよう呼びかけています。沈んだ残さ・ごみは1か月に1回以上、トラップ内部は2~3か月に1回以上が目安です。
すくい取った油は、固めて燃えるごみに出せますか?
お店から出た油は、家庭の油と扱いが違います。川崎市環境局の手引では、天ぷら油は産業廃棄物の「廃油」にあたるとされ、市の焼却場には持ち込めません。家庭の油は、紙などで吸い取って普通ごみとして出すよう案内されています。
道路のマンホールから水があふれています。誰に連絡すればいいですか?
川崎区の場合、道路の下の下水本管や取付管は、南部下水道事務所(044-344-4866)が窓口です。時間外は上下水道お客さまセンター(0120-014-734)が案内されています。
まとめ
- 油を下水管に流すと冷えて固まり、詰まり・あふれ・悪臭の原因になる
- グリストラップは、バスケットと浮いた油を毎日1回以上、沈んだ残さを1か月に1回以上、トラップ内部を2~3か月に1回以上が川崎市の目安
- 油を分解して流すタイプの処理剤は使わないよう市が求めている
- お店の油・グリストラップ汚泥は産業廃棄物。家庭の油とは処分方法が違う
- 道路の下水の詰まりは、川崎区なら南部下水道事務所(044-344-4866)へ
川崎区で、排水の流れの悪さや水漏れが気になるときは、川崎市の水道修理のページもあわせてご覧ください。
出典:川崎市上下水道局「下水道管をつまらせないで!!」「飲食店・宿泊施設など厨房施設をお持ちのみなさまへ」、川崎市「下水管が詰まって困っています。」「下水道事務所(下水道管理事務所)の所在地・開庁時間を知りたい。」「下水道管の修理や清掃をしてほしい。」、川崎市環境局「事業系ごみ(一般廃棄物)適正処理のために」、川崎市「令和3年経済センサス-活動調査結果(確報)」第1表(いずれも2026年10月26日確認)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。
