杉並区で古い戸建ての水まわりを点検するなら、①水道メーターで見えない漏れがないか、②給水管が鉛製かどうか、③敷地の排水ます・雨水ますの状態、④半地下や地下の出入口の浸水への備え、の順に確かめると、手を付ける場所を絞りやすくなります。給水管が鉛製かどうかは東京都水道局に調べてもらえるほか、杉並区には雨水浸透ますや防水板を設ける工事への助成があります。どちらも「工事の前」に問い合わせや申請が必要なので、直す前に窓口を知っておくことが大切です。
この記事では、東京都水道局・東京都下水道局・杉並区の案内をもとに、古い戸建ての水まわりを点検する順番と、杉並区で使える窓口・助成を整理します(2026年10月時点の情報です)。
古い戸建ての水まわりはどこから点検する?
家の水まわりは、大きく分けると次の2つの系統でできています。
- 給水:道路の下の水道管から水道メーターを通って、蛇口まで水を届ける管
- 排水:台所・お風呂・トイレの汚れた水や、屋根・敷地に降った雨水を、敷地の排水ますを通して道路の下の下水道管へ流す管
どちらも床下や地面の下にあるため、ふだんは目に入りません。そこで、目に見えるところから順に確かめていきます。
- 水道メーターで漏れを確認する:家じゅうの蛇口を閉めた状態でメーターを見て、見えない漏れがないかを確かめます
- 給水管の材質を確かめる:古い家では鉛製の給水管が残っている場合があります。東京都水道局に問い合わせて確認できます
- 敷地の排水ます・雨水ますを開けて見る:たまり・泥・木の根などがないかを見ます
- 半地下や地下の出入口の浸水への備えを見直す:大雨のときに水が入りやすい場所がないかを確かめます
以下、順番に説明します。
1. 水道メーターで見えない漏れがないか確かめる
最初は、家の中の蛇口をすべて閉めた状態で水道メーターを見ます。水を使っていないのにメーターの表示が動いていれば、どこかで水が漏れているおそれがあります。トイレのタンクの中など、目で見えにくい場所の漏れもこの方法で気づけることがあります。
メーターの見方や、漏れている場所を絞り込む手順は水道メーターのパイロットで漏水を見つける・切り分ける方法で詳しく紹介しています。
2. 給水管が鉛製かどうかを確かめる
東京都水道局によると、東京都では明治31年の近代水道の開始と同時に鉛管が給水管として使われ始め、その後、塩ビ管やステンレス鋼管の普及により、平成7年3月31日をもって全面使用禁止となりました。そのため、それより前に水道を引き込んだ古い家では、鉛製の給水管が残っていることがあります。
道路側(配水管から宅地内メーターまで)は水道局が取り替えてきた
水道局は、配水管から宅地内メーターまでの鉛製給水管の解消に取り組み、平成18年度末にはおおむね解消されたものの、まだわずかに残っているものもあると案内しています。残っている家については、漏水を防ぐための巡回調査の中で計画的に解消していくとしています。
ただし、増径などの給水装置の改造、重機などによる掘削、植木などの障害物の移設や取り壊しとその復旧、厚手のコンクリートや特殊なタイルなどの復旧は、お客さまの負担になると案内されています。
自分の家の給水管が鉛製か、問い合わせて確認できる
水道局のよくある質問では、住所・氏名・電話番号・お客さま番号を担当の窓口に伝えれば、調査のうえで鉛管かどうかを答えるとしています。鉛管かどうかの問い合わせ先として、水道局のよくある質問では支所給水課や給水管工事事務所などが挙げられています。水道局の「鉛管の取替えに関する東京都水道局連絡先一覧(区部)」では、杉並区の担当は、鉛管がある区間ごとに次のように分かれています(道路の下の水道管を「配水管」といいます)。
| 鉛管がある区間 | 杉並区の窓口(鉛管について) |
|---|---|
| 配水管から宅地内メーターまで | 西部支所 給水課(03-5300-8511) |
| メーターから蛇口まで | 杉並給水管工事事務所(03-5300-8553) |
鉛製の給水管を使っている間に気をつけたいこと
水道局は、鉛製の給水管でも通常の使用状態では水質基準に適合しており問題ないとしたうえで、水が管の中に長時間たまると、水質基準を超える鉛が溶け出すことがあると説明しています。そのため、朝一番に水を使うときや、旅行などでしばらく水を使わなかったときは、念のためバケツ1杯程度の最初の水を散水など飲用以外に使うよう勧めています。根本的な解決策は、鉛製の給水管を取り替えることだとしています。
なお、給水管やご家庭の水道設備(水道メーターを除く)はお客さまの財産とされています。メーターから蛇口までの給水管を取り替えるかどうかは、まず上の窓口で鉛管かどうかを確かめてから考えると安心です。借家にお住まいの場合は、取替えなどの工事は家主(所有者)と相談してください。
水道局は、職員を装って家を訪ね、水道器具を売るといった詐欺まがいの事件が起きているとして注意を呼びかけています。水道局では、蛇口などの器具類や浄水器の交換・販売や、依頼のない水質検査はいっさい行っていないとしています。
蛇口から出る水の色やにごりが気になるときの確認の手順は、蛇口の水が白く濁る・赤茶色い|色でわかる原因と家庭での確認手順で紹介しています。
3. 敷地の排水ます・雨水ますを点検する
戸建ての敷地には、排水管の途中に点検や掃除のための「ます」があります。ふたを開けて、次のような様子がないかを見ます。
- 水がたまったまま引かない
- 泥・油の固まり・落ち葉が厚くたまっている
- ますの中や管の口に、木の根が入り込んでいる
- ふたや、ますの縁が割れている・欠けている
重いふたや深いますは無理に作業せず、開けたふたは必ず元どおりに閉めてください。ますの役割やつまりやすい場所は排水マスとは?戸建て住宅オーナーが知っておくべき役割とつまり対策で詳しく解説しています。
道路との境目近くの「公共汚水ます」は開けない
東京都下水道局によると、台所・お風呂・トイレなどの汚水や敷地に降った雨は、敷地と道路の境目に設けられた「公共汚水ます」を通って、道路の下の下水道管へ流れます。原則として1つの宅地に1個、道路との境界付近にあります。局は、このふたが開けられて段差ができ、つまずきや転倒の事故が起きているとして、ふたを開けないよう呼びかけています。公共汚水ますや下水道管のつまり・破損を見つけたときは、下水道局へ連絡するよう案内しています。
道路の下と敷地の中で、相談先が違う
道路の下の下水道管や公共汚水ますの管理、下水道からのにおい・つまりなどは、下水道局の窓口が受け付けています。杉並区を受け持つのは、東京都下水道局 西部第一下水道事務所 杉並出張所(杉並区下井草2-6-13、03-3394-9457)です。
一方、私道や敷地の中の排水設備はお客さまの財産で、下水道局では管理していないとされています。修理を頼むときは、所有者が業者数社から見積りを取り、十分に検討して納得してから依頼するよう案内しています。また局は、下水道局と関係があるような紛らわしい営業で、有料の排水設備の調査や清掃を勧誘する業者があるとして、局とは一切関係ないので十分注意するよう呼びかけています。
4. 雨水ますを新しくするなら、杉並区の「雨水浸透施設」の助成を確認
杉並区は、水害を軽くするための総合治水対策の一環として、河川の改修や下水道の整備とあわせて、雨水の流出を抑える対策を進めています。その一つとして、個人の住宅などに雨水浸透施設を設ける人に、工事費の一部を助成しています。
- 対象の建物:敷地面積1,000平方メートル未満の、個人が所有する住宅・共同住宅・長屋など(申請できるのは、住宅などを所有し、敷地に浸透施設を設ける権利がある個人)
- 対象の施設:区が指定した標準構造の「雨水浸透ます」と「雨水浸透トレンチ」
- 助成の限度額:1件あたり40万円(令和8年7月15日以降の申請から新しい単価を適用。助成額の詳細は区のページで確認)
- 申請の時期:浸透施設の工事に着手する1カ月前までに書類を提出
- 問い合わせ:杉並区 都市整備部土木計画課土木調整グループ(03-5307-0739)
申請には、排水経路が確認できる配置図や構造図、建物と土地の所有などを確認できる書類が必要とされています。雨水ますの交換や雨どいまわりの工事を考えているときは、工事を決める前に、助成の対象になるかを区に確かめておくと安心です。
なお、敷地面積が100平方メートル以上の建築物を建てる場合などは、区の要綱により「雨水流出抑制対策実施計画書」の提出が必要とされています。建て替えや増改築を考えている場合は、こちらもあわせて確認してください。
5. 半地下や地下の出入口がある家は、浸水への備えも見直す
杉並区には、浸水への備えとして次のような助成もあります。いずれも、計画の段階で区に相談するよう案内されています。
| 助成 | 区の案内の要点 |
|---|---|
| 防水板設置工事費の助成 | 住宅の地下出入口などに防水板を設ける工事。費用の4分の3、1つの建物につき100万円が限度。交付決定通知書が届いてから工事を始める |
| 水害予防住宅 高床化工事の助成 | 区の「わが家の水害ハザードマップ(平成31年4月作成)」で浸水の目安が0.5メートル以上の箇所を含む街区が対象。高床部分の床面積に区の標準工事費単価を掛けた額(揚家は工事費)の2分の1、200万円が限度。認定通知書が届いてから工事を始める |
どちらも、工事を始めてから申し込むのではなく、区の決定や認定を受けてから着手する流れです。対象の条件や必要書類は細かく決められているので、区のページで確認するか、上と同じ土木計画課土木調整グループに問い合わせてください。
自分でやってよい範囲・業者に相談したいサイン
自分でできること
- 蛇口をすべて閉めて、水道メーターが動いていないかを見る
- 水道局に、給水管が鉛製かどうかの確認を問い合わせる
- 敷地の排水ます・雨水ますのふたを開けて、たまりや汚れの様子を見る(道路との境目近くの公共汚水ますは開けない)
- 雨水ます・側溝・雨どいの落ち葉やごみを取る
- 区の助成の対象になるかを、工事の前に問い合わせる
業者に相談したいサイン
- 水を使っていないのに、水道メーターが動いている
- 壁や床が湿っている、地面の一部がいつも濡れている
- 排水ますに水がたまったまま引かない、木の根や固まりが見える
- 家の中の複数の排水口で、流れが遅い・ゴボゴボ鳴る状態が続く
給水管から水が漏れていそうなときは、まず止水栓や元栓を閉めて水を止めてから相談すると、被害を広げずにすみます。
よくある質問
古い家の給水管が鉛製かどうか、見た目で分かりますか?
給水管の多くは床下や地面の下にあり、家の人が見て判断するのは難しいことがあります。東京都水道局は、住所・氏名・電話番号・お客さま番号を担当の窓口に伝えれば、調査のうえで答えるとしています。杉並区の窓口は、本文の表のとおりです。
水道局の人を名乗る訪問で、蛇口や浄水器の交換を勧められました。
東京都水道局は、蛇口などの器具類や浄水器の交換・販売、依頼のない水質検査はいっさい行っていないとしています。その場で契約せず、水道局の窓口に確認してください。下水道局も、局と関係があるような営業で排水設備の調査や清掃を勧誘する業者は局とは一切関係ないとしています。
雨水浸透ますの工事は、始めてから助成を申し込めますか?
杉並区は、申請書類を浸透施設の工事に着手する1カ月前までに提出するよう求めています。工事を決める前に、区の土木計画課土木調整グループに相談してください。
まとめ
- 古い戸建ての点検は、水道メーター→給水管の材質→排水ます・雨水ます→半地下などの浸水への備え、の順に確かめると整理しやすい
- 東京都では鉛管は平成7年3月31日に全面使用禁止。給水管が鉛製かどうかは水道局に調べてもらえる(杉並区は西部支所 給水課/杉並給水管工事事務所)
- 鉛製の給水管を使っている間は、朝一番や長く使わなかったあとの最初の水をバケツ1杯程度、飲用以外に使う
- 道路との境目近くの公共汚水ますは開けない。道路の下の下水道のことは下水道局 杉並出張所へ
- 雨水浸透ます・防水板・高床化には杉並区の助成がある。どれも工事の前に区へ相談・申請する
杉並区で、水漏れや排水の流れの悪さが気になるときは、東京23区の水道修理のページや水漏れ修理のページもあわせてご覧ください。
出典:東京都水道局「『水道局の負担』で鉛製給水管の取替えを行っています」「鉛管の取替えに関する東京都水道局連絡先一覧(区部)」「給水管について」、東京都下水道局「『公共汚水ます』のふたを開けないで!」「排水設備FAQ」「東京23区内の公共下水道の管理、公共汚水ますの管理、下水道からのにおい・つまり等、下水道の一時使用届出」、杉並区「雨水流出抑制対策」「雨水浸透施設工事費の助成」「防水板設置工事費の助成」「水害予防住宅 高床化工事の助成」(いずれも2026年10月13日確認)。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています。
