横浜市緑区の中山・十日市場・長津田は、鶴見川沿いの平らな低地から、谷戸が刻まれた丘の上まで、高低差のある土地が南北に重なっているエリアです。同じ緑区でも、お住まいが低地にあるのか丘の上にあるのかで、水まわりに出るトラブルの種類は変わってきます。この記事では、中山・十日市場・長津田にお住まいの方に向けて、立地ごとに起こりやすい症状と対処法を解説します。
緑区は「低地・丘のふもと・丘陵地」が重なる区
横浜市がまとめている緑区のまちづくり資料によると、緑区は鶴見川とその支流の恩田川を北側の区境とし、分水嶺となる尾根を南側の区境とする、東西に細長い区域です。区の地形は、鶴見川に流れ込む短い支流の流域にあたる丘陵地と、鶴見川が流れる低地から構成されています。
丘陵地には「谷戸」と呼ばれる谷や沢が南北方向にいくつも刻まれ、それらに区切られた土地のかたまりのひとつひとつが緑豊かな丘になっています。同資料では、緑区のまちが川沿いの低地・丘のふもと・丘陵地という環境の異なる地区が南北方向に層状に形成されてきたと説明されています。
水まわりの視点で言い換えると、水が集まりやすい場所と、配管の高低差が大きくなる場所が、同じ区の中に混在しているということです。
鶴見川・恩田川沿いの低地で気をつけたいこと
川に近い平らな土地では、まとまった雨のあとに排水の不調が出ることがあります。
その一つが、排水口や排水マスから下水のようなにおいが上がってくるという症状です。排水設備の封水(トラップに溜まっている水)が切れていたり、雨で下水道側の水位が上がって空気が押し戻されたりすることで起こる場合があります。使っていない排水口の水がなくなっているだけなら、水を流して封水を戻すと収まることもあります。
また、平らな土地では排水の勾配を取りにくい場合があり、汚れが途中で残りやすくなることがあります。キッチンから流れた油分や洗剤かすが少しずつ堆積し、数年かけてつまりに育つケースです。「以前より流れが遅い」と感じた時点で見ておくと、あふれる前に手を打てます。
屋外の排水マスにあふれや逆流が出ている場合は、そのマスより下流の配管で詰まっている可能性があり、無理に水を流し続けると室内へ逆流することがあります。使用を止めてご相談ください。
丘の上・谷戸沿いの住宅地で起こりやすい症状
丘陵地に造成された住宅地や、谷戸の斜面に沿って建つ住宅では、様子が変わります。
敷地に高低差があると、屋外配管の経路が長くなったり、曲がりが増えたりします。落ち葉や土砂が入り込みやすく、屋外の排水マスの清掃・点検が効いてきます。庭木のある敷地では、配管の継ぎ目から木の根が入り込んで詰まることもあります。
高台の住宅では、水の出が弱くなることがあります。給水管の内部が錆や水垢で狭くなっていることもあれば、増圧・加圧の設備側に原因があることもあり、実際に見ないと切り分けができません。
屋外の水栓や散水栓まわりも、冬場の冷え込みで傷みやすい部分です。ぽたぽたと止まらない、ハンドルが固いといった変化は、パッキンや本体の劣化が進んでいるサインのことがあります。
中山・十日市場・長津田、街の成り立ちと築年数
同じ資料によれば、長津田は江戸時代から大山街道の宿場町としてにぎわった土地です。明治41年(1908年)に現在のJR横浜線が開通し、中山駅と長津田駅は開通と同時に開業しました。昭和30年代に入ると丘陵地が造成されて団地の開発が始まり、周辺の区画整理にともなって十日市場駅が開業したのは昭和54年(1979年)です。
このように緑区には、古くからの集落や商店が残る場所と、昭和30年代以降に造成された住宅地・団地、そして比較的新しく整備された市街地が混ざっています。建物の築年数の幅が広いということは、水まわりの傷み方の幅も広いということです。
築年数の経った住まいでは、部品の交換ではなく配管そのものの劣化が原因になることがあります。使っていないのに水道メーターのパイロットが回り続ける、床がふかつく、壁際が湿っぽいといった症状は、見えない場所での漏水のサインのことがあります。
マンションやアパートでは、複数の部屋で同時に流れが悪くなる、下の階から水漏れの連絡が来たという場合、共用の排水管が関係していることがあります。階下への漏水は被害が広がりやすいため、気づいた時点で止水栓や元栓を閉めて水を止め、管理会社や大家さんに状況を伝えておくと、その後の対応がスムーズです。
自分でできる応急処置とプロに任せるライン
トイレの軽いつまりは、ラバーカップ(すっぽん)で解消できることがあります。排水口のぬめりや軽いつまりも、ゴミ受けや排水トラップを外して清掃すると改善する場合があります。
次のような場合は、無理をせず専門業者にご相談ください。
・水を止めても水漏れが続く、どこから漏れているか分からない
・屋外の排水マスからあふれている、逆流している
・壁の中や床下からの漏れが疑われる
・トイレに固形物を落としてしまった
・給湯器がエラーで動かない、お湯にならない
無理に器具を突っ込んだり分解したりすると、配管や便器を傷めて修理範囲が広がることがあります。判断に迷う段階でも、お気軽にご相談ください。
出典:横浜市緑区「緑区まちづくり計画(PDF版)」(1章 緑区の成り立ちとまちづくりの考え方)。本記事では、この内容を要約・編集して紹介しています。
